宅地間物取引業者が売主となる宅地建物の契約では、契約解除に伴い損害賠償額の予定や違約金を定める時、その合計額が売買代金額の2割を超えてはならないのです。
その制限のことを、損害賠償額の予定等の制限といいます。
損害賠償額の予定とは、予め契約で賠償額を予定しておけば、債務不履行等が発生した場合、損害をうけた側は損害額の証明をする必要もなく、権利行使が用意になる、という制度のことです。
また、違約金とは、債務不履行が発生した場合、義務を履行しなかった者が、支払うことを約束した金銭のことをいいます。
この違約金は懲罰だけではなく、相手の損害に対する損害賠償金としての性質を持つ場合もあります。
そのため、違約金と損害賠償額の予定との区別は、実際上難しいのです。
よって、民法では、違約金は賠償額の予定と推定する、旨をさだめています。
しかし、このような損害賠償額の予定や違約金は、高額になる恐れも十分にありえます。
取引に精通していない一般消費者は、これらにより不測の損額を被る場合が考えられるため、宅地間物取引業法によって、不当に過酷な損害賠償額の予定、まはた違約金を課すことは禁止しています。
具体的にいいますと、損害賠償額と違約金の合計額は、最大でも代金の2割以内とされています。
また、同じく宅地間物取引業法では、前項の規定に反する特約は、代金の2割を越える部分について、無効とする、と定められております。
この法を無視し、2割を超えた代金で契約を行った場合、自動的に代金の2割にまで縮減されると定めています。
なお、これらは一般消費者保護の規定とされているため、徳間物取引業者が売主で、宅地間物取引業者以外の者が買主である場合にのみ適用されます。